年齢別オリジナル

【3歳向け】なくしたぼうしと風の子

3歳向けの小さな発見のお話。ココと風の子フウが、葉っぱと緑の糸を手がかりに二つの道を選び、なくした帽子の意外な役目を見つけます。

  • ココ
  • フウ

読む前の保護者メモ

このお話の二択には、よく見ると選ぶ理由があります。「どっち?」のあとに少し待ち、理由を言えないときは色や音を一緒に確かめます。風の子を悪者にはしません。

おはなし

朝のコトノハポッケの森で、 ココは緑のぼうしをかぶりました。

今日は、若い木を見にいく日です。

そこへ、風の子フウがやってきて、 紫のマフラーをくるり。

「おはよう、ココ」

フウが小さくくしゃみをした、そのとき。

「はっくしゅん。ふわっ!」

緑のぼうしが空へひと跳び。 木のむこうへ消えました。

「ぼうしがない!」

フウはすぐに風を止めました。

「ごめんね。いっしょに見つけよう」

ココはうなずきました。 二人の小さな捜索が始まります。

一つめの手がかり

道のまんなかで、 黄色いはっぱがくるくる。

フウが手を近づけると、 はっぱは木の向こうへすべりました。

「ぼうしと同じ風に  運ばれてきたのかもしれない」

二人ははっぱのあとを歩きました。

二つの小道

丸い木のところで、 道は二つにわかれています。

左は、白い花の小道。 右は、丸い石の小道。

どちらへ行こう?

ココが枝をよく見ると、 白い花の小道に、 緑の糸が一本ゆれています。

「ぼうしと同じ色だ」

二人は白い花の小道を選びました。

少し進むと、 「ぱた、ぱた」と小さな音。

これが三つめの手がかりです。

ぼうしの小さな仕事

低い木の根元に、 緑のぼうしがありました。

けれど、ただ落ちているのではありません。

つばの下から、 小さな若芽がのぞいています。

さっき通ったにわか雨から、 ぼうしが若芽を守っていたのです。

「ぼくのぼうし、  小さな屋根になってたんだね」

フウはそよ風で水滴をはらい、 ココは大きな葉を若芽のそばに立てました。

新しい葉っぱの屋根ができたので、 ココはぼうしをかぶります。

「見つかってよかった」 「若芽もよかった」

二人は緑のぼうしを押さえながら、 ゆっくり森の広場へ帰りました。

今度風が来ても、 あごのひもを結んでいるから安心です。

読み終わったら

三つの手がかりを「黄色い葉っぱ、緑の糸、ぱたぱたの音」と順番に振り返ります。そのうえで、選ばなかった丸石の道には何がありそうか、答えを決めずに一言だけ想像してみましょう。

次の絵探しはくまくんの「できた!」へ、別の3歳向け作品は3歳向けのお話一覧から選べます。

保護者メモ

「なくした」を責めない読み方

持ち物が見当たらないときは、最後に見た場所、色、音を一つずつ確かめる物語として使えます。フウの謝罪は犯人探しではなく、一緒に直す合図です。無料の発見と会話は本文で完結し、観察カードは同じ遊びを別の日にも繰り返したい場合だけの追加資料です。