読む前の保護者メモ
最後の一つを「誰が食べるか」より先に、「誰のために残っているか」を調べます。半分こは常に正解ではなく、持ち主と相手の希望、材料の安全を確かめてから選びます。
おはなし
コトノハポッケの森の集まりが終わり、 ココは長机を片づけていました。
蓋付きの皿を開けると、 丸いクッキーが一枚だけ残っています。
葉っぱの形の線が中央にあり、 半分に分けられる焼き方です。
近くにいた二人が言いました。
「最後なら、早く見つけた人のもの?」
「みんなで少しずつ分ける?」
ココも甘い香りに心が動きました。
けれど、残っていることと 持ち主がいないことは同じではありません。
料理係が来るまで蓋を閉め、 手がかりを確かめます。
二つの調べ方
一つめは、作った数と食べた数から調べる道。
二つめは、机の席と道具から調べる道。
どちらを先に選びますか。
数から調べる
焼き網には丸い跡が八つ。
使った小皿は七枚。
一枚ずつ配ったなら、 八枚作り、七枚渡し、一枚残ったことになります。
「余分に焼いた一枚か、 まだ渡していない一枚だ」
数だけでは、ここまでです。
席から調べる
長机には七つの使った席と、 一つだけ未使用の席がありました。
そこには星柄のナプキンと、 緑の低い椅子。
出席表の絵記号を見ると、 子ガメのノノの席です。
ノノは集まりの途中、 家の人と保健室へ行っていました。
席だけでは、クッキーを残したかは分かりません。
二つの道を合わせる
八枚のクッキー。 七枚の使用済み皿。 一つの未使用席。
料理係に尋ねると、 「ノノの分を材料表示と一緒に 蓋付き皿に残しました」と確認できました。
最後のクッキーは、 誰のものでもない一枚ではなく、 まだ受け取っていないノノの一枚です。
ココは、先に食べなくてよかったと ほっとしました。
やがてノノが家の人と戻りました。
体調は落ち着いています。 家の人と料理係が材料をもう一度確認し、 食べられることも分かりました。
ノノはクッキーを見ると、 隣にいた転入したばかりの子に言いました。
「ぼく、あなたと話してみたかった。 よかったら半分ずつにしない?」
周りが分けると決めたのではありません。 持ち主のノノが、自分で選びました。
相手の子も材料を家の人と確認し、 「半分なら食べたい」と答えました。
大人の料理係が、 葉の線に沿って二つに分けます。
大きさが少し違ったので、 ノノは相手に先に選んでもらいました。
二人は同時に食べず、 座って一口ずつゆっくり味わいました。
ココは、推理の答えが 「半分こ」ではなかったことに気づきます。
答えはまず、 「最後の一枚はノノの分」でした。
半分こは、その後にノノと相手が 安全を確かめて選んだ行動です。
片づけの最後、ココは 星柄ナプキンをノノに渡しました。
空の皿は八枚そろい、 新しい二人の会話が始まりました。
読み終わったら
数の手がかりだけで分かったこと、席の手がかりで増えたことを分けます。「公平」はいつも等分することではなく、持ち主と希望を確かめる順番にもあると話します。
次の選択のお話はきつねの約束と青い花、反射を調べる年下向け推理は月をしまったポケットです。
保護者メモ
食べ物を分ける前に確認すること
所有者の意思、双方のアレルギーや食事制限、衛生状態を大人が確認します。子どもに刃物を持たせず、座って食べます。「分けるのが優しい」と強制しません。追加短編集は無料の推理と結末を終えた後だけの任意案内です。

